サルがいた。
にらみ合う瞬間が続いた。
その後、彼は、背中を向けた。
どうやら彼は去るらしい。
その時、彼はつぶやいた。
「人間には、できないだろう。
君たちにできることは、にんげることだけだよ。」
後ろ姿から胸を張った姿に感じられた彼。
どうやら彼はサルらしい。
後ろ姿を見せて一気に逃げることもできずに、
必死に後ずさりしていた私は、
やっとにんげること、人間になることができた。
どちらが強いかということは別にして、
どちらが本当に強いかということは別にして、
それが互いの存続を保ってきたという事実を理解しなければならないと思う。
それが、地球の今を築いているのである。