しばらくぶりに一気に読む本に出会いました。
2020年からの大学入試改革について・・・あと3年後なのですね。
学校が、教育が大きく変わる転機になります。
同著者の「2020年の大学入試問題」講談社現代新書 も必読です。
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「2020年からの教師問題」 石川一郎著 ベスト新書 2017.1.20 から引用
「もし、地球が東から西に自転していたとしたら、世界は現状とどのように異なっていたと考えられるか、いくつかの観点から考察せよ。」
2014年度東京大学理科一類の「外国学校卒業学生特別選考」小論文問題
いくら知識を再現できたとしても、それだけでは対応できない問題です。
何故なら、習った事実―ここでは、「自転」の定義―がひっくり返されているからです。なおかつ、ただ一つの決まった正解があるわけではないのです。
2020年に向け文科省が実現を目指す「新しい教育」の中で生徒に身につけさせようとしている能力とほぼ同じなのです。
高校教育に対しては、知識詰め込み型の授業を脱却し、主体的・対話的な深い学びをすることによって、文科省が新たに重要視している「学力の3要素」を備えた人材を育成することが求められています。
学力の3要素とは、次のように定義されています。
・十分な知識・技能
・それらを基盤として答えが一つに定まらない問題に自ら解を見いだしていく思考力・判断力・表現力の能力
・これらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
大学と高校をつなぐ大学入試に関しては、学力の3要素を多面的・総合的に評価するものにすることが求められています。
「2011年に小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く。」 ニューヨーク市立大学大学院センター教授キャシー・デビッドソン
「今度10年から20年程度で、アメリカの雇用者の半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」 オックスフォード大学准教授マイケル・オズボーン
ポイント 「知識の習得」 から 「知識の活用」へ ~P24
「正解のない『問い』」に対して、「モヤ感」を持って悩み、考える。そして、「クリティカルシンキング」でそのことが論理的に合っているのかをチェックする。最後に「自分軸」と向き合い、答えを出す。
このサイクルが、2020年以降の学びには不可欠なのです。 p73
「モヤ感」……問いと対峙した時の不安感、そして、問いに答えを出した後の不完全燃焼感。「知的好奇心」につながるもの。小学生の頃の「なぜだろう」「なぜかしら」という気持ちは、まさに知的好奇心から生まれた「モヤ感」と言える。p64
自分が知らないことを学ぶことで、新たな発見もあれば、悩み考えることもある。学んだことで悩み考える、そしてそこに「問い」が生まれる。「問い」に対して「答え」を出そうとするために、新たな「学び」が生まれる。「学ぶ」と「問う」が繰り返される。
その「学び」と「問い」の間に存在するのが、「モヤ感」であり、知的好奇心なのである。
p67
「クリティカルシンキング」……自分が言おうとしていることが論理的な考察に基づく答えなのか、もう一度あらゆる角度から見直してみること。
「親友と最近連絡が取れません。どうやら、親友はひどく落ち込んでいるようです。何度か連絡を試みた結果、ようやく明日親友と会って話すことになりました。そこでは、どのようなやりとりが二人の間で繰り広げられるでしょうか。二人のやりとりを対話形式で解答用紙のA欄に、そしてそのやりとりの中であなたが意図したことをB欄に述べなさい。」 2008年慶応義塾大学医学部 小論文
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「モヤ感」を「はてな?」に置き換えると、有田先生が言われていたこととまったく同じことのように思えます。赤字のところなどは、「はてな?」と「はてな帳」そのものです。
有田学級の子どもたちは、毎日「はてな?」で鍛えられていたから、あのような授業が存在していたのだと考えると、納得します。30年以上も前から次世代の学習を行っていたのです。
「水の旅」2016 福岡浄水場編
七北田ダム・宮床ダム~福岡浄水場~ポンプ場~配水所の見えない水の流れを、航空写真や現地の写真で水管橋を捉えることによって、見える形で捉えるられるようにパワーポイントで作成した授業用のソフトです。
スライドショーの発表者ビューでご覧ください。
発問・指示・説明・予想される子どもの反応などを記述しています。
「科学の進歩と共に」【改良版】
燃料電池自動車を使って、小学校での燃料電池(水素エネルギー)の授業化のためのパワーポイントで作成した授業用ソフト・資料です。
スライドショーの発表者ビューでご覧ください。
発問・指示・説明・予想される子どもの反応などを記述しています。